小宮一慶氏が分析・解説
社用車を使わず、自身の経験から「電車は情報の宝庫」とまで言い切る。確かに中吊り広告で話題のニュースや出来事を知り、乗客の服装を見れば、直近の流行や季節の移り変わりを肌で感じ取ることができる。そうやってさまざまな刺激を受けながら、鈴木氏は仮説検証を繰り返しているのだ。
結局、企業は世間からその価値観を認められないと存続できない。社内にどんな優秀な人材がいようが、顧客が製品なりサービスを購入してくれなければ、たちまち行き詰まってしまうことになるだろう。
だからこそ、その世間に一歩でも近づき、いま世間が何を必要としているのかを絶対に見抜くのだという心の底から発せられた強い気持ちが、鈴木氏を突き動かしているのだと思う。
1957年、大阪府生まれ。京都大学卒業後、東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。96年に小宮コンサルタンツを設立し、現職。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』など著書多数。