7■接待上手が営業力と思い込んでいる“シーラカンス”営業マン


コクミン ヘルシー商品部 部長●桑原正幸

環境が激変する中で、生きた化石のような営業マンもいまだにいた。例えば、ドラッグストア業界。医薬品は許認可が絡むため、「古い体質が今も残る」と関西地盤のチェーン、コクミンの桑原正幸・ヘルシー商品部長はいう。

「接待をして関係を深め、納品数さえ増やせばいいと思っている。どの商品がどれだけ店で消化されたかなど気にしない。昼間来ても、人の顔を見れば、お茶しませんかと連れ出そうとする。前世紀の遺物です。

一方、われわれチェーン側は立地によって店舗タイプを分けるなど、顧客ニーズに即した展開を進めています。旅行客の多い空港内店舗に、10錠入りから100錠入りまでセットで揃え、風船のおまけをつけて納品しようとする営業マンは一体、何を考えているんでしょうね。もう通用しません」

 

8■ワリカン飲ミュニケを活かせない“飲むだけ~”営業マン

今回のバイヤー取材では「接待禁止」を徹底している会社が多かった。これも6年前の第1弾からの大きな変化だ。

「ただ、ワリカン前提で営業マンと飲むのはホンネの話を聞くため絶対必要」

と話すのは大和ハウスの杉浦氏だ。

「以前、われわれへのプレゼンがうまくできなかった会社がありました。先方と飲みながら事情を聞くと、実は担当者が急病になり代役だった。こっちも硬いことばかりはいいません。ならもう1回やり直そうやと。

不良品が出た会社も、飲みの席で営業マンに事情を聞くと、検査担当者の体調不良によるミスが原因だったという。システムに構造的な問題があるのではなく、一過性だとわかる。表には出ない裏事情が聞けると対処法が違ってきます」

飲むだけで終わるか、情報伝達の別チャンネルにできるか、営業マン次第だ。