ビジネスプランコンテストで優秀賞

大学3年生になり、周囲は就職活動が本格化する中で、矢島だけは事業プランを練り、世の中に通用するのか試すために、ビジネスプランコンテストに応募した。すると、入賞し、さらには東京都などが主催する「2010年学生起業家選手権」に応募。見事に優秀賞を受賞、賞金150万円を獲得した。

この賞金を元手に2011年3月、大学4年最後に22歳で起業した。たった1人での挑戦だった。和えるという社名は、伝統と現代の感性を活かしながら「和える」ことから由来している。

矢島は、アイデアを形にするため、本藍染の職人の協力を得て、前述の出産祝いセットを作った。だが、そう簡単に売れるわけがない。資本金をたちまち食いつぶし、銀行口座に数百円しか残っていないときもあった。

それでも資金を工面して、2012年3月に出産祝いセットを本格発売。メディアなどで紹介され、少しずつ売上が伸びていった。

「やりたいと思うと、そのことしか考えない単純な性格」と笑う矢島の想いは、着実に世の中へ届いている。
(本中敬称略)

株式会社和える
●代表者:矢島里佳
●創設:2011年
●業種:日本の伝統産業の技術を用いた商品の企画、開発、販売、BtoB向け伝統産業プロデュース事業など
●従業員:4名
●年商:非公開
●本社:東京都港区
●ホームページ:http://a-eru.co.jp/
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