いま必要な「自由闊達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設」

ソニーは開発陣に自由な発想をさせ、差別化、高付加価値化の商品を売って生きてきた会社だ。ユーザーも「SONY」というロゴに憧れて商品を買った。それが、どこにでもあるような安物をつくったら、ユーザーに相手にされないのは自明の理だ。

平井社長は頻繁に開発現場に足を運び、話を聞いているそうだが、大学卒業後はCBS・ソニーへ入社した音楽業界出身の社長だ。商品開発のことはそれほど詳しくない。ここはもう一度創業の精神に立ち返ったほうがいいかもしれない。

「真面目ナル技術者ノ技能ヲ最高度ニ発揮セシムベキ自由闊達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設」

これが有名な設立趣意書の一説で、以前のソニーはその実現に向けて、全く新しい商品を生み出して、新たな市場を構築してきた。それができたとき、初めてソニーが復活したといえるだろう。

現状を見る限り、その道のりは非常に厳しいものであるのは間違いない。

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