環境変化への対応力とスピード力が不足していた
「我々の環境変化への対応力とスピード力が不足していた。変化への打ち手が遅れたと言わざるを得ない」と自ら反省の弁を述べ、こう強調する。
「2014年度は3年計画の最終年に当たるが、次の2015年度からの3カ年を成長フェーズと位置づけ、持続的に収益を上げられる企業へ変貌するため、今年度は構造改革をやりきる年と位置づけ、徹底した変革に取り組む。度重なる下方修正や赤字を継続する体質を変える」
そのために、赤字の元凶であるエレクトロニクス事業で販売会社の固定費を15年度までに13年度比で約20%削減する。特に10期連続の赤字を計上し、累積損失7900億円のテレビ事業については、分社化により固定費削減を徹底し、今年度中に黒字化する計画だ。また、本社間接部門の費用も約30%削減する。
そして、エレクトロニクスのコア事業(ゲーム&ネットワークサービス、モバイル、イメージング関連)の収益貢献、エンタテイメントや金融の安定的な収益貢献などと併せ、「15年度に営業利益4000億円(今期予想は1400億円)を目指す」とした。
しかし、それを信じる人は少なく、何を根拠に営業利益が4000億円までいくのかと疑問に思っている人がほとんどだ。というのも、コア事業やエンタテイメント事業は水商売的な要素が強く、必ずヒットするとは限らないからだ。おまけに競争が激しいときているのでなおさらだ。今のソニーに競争に勝っていく力があるのかはなはだ疑問だ。