理念を暑苦しいくらいに語る
そんななかで、「みんなのウェディング」はDeNAから与えてもらったチャンスでした。そうした実感があったからなのでしょうね、僕は会社を立ち上げるとき、ここを自分の会社ではなく「みんなの会社」にしたいなっていう思いが強かったんです。
「みんな」という言葉は「社員のみんな」のことでもあるし、社会に生きている「みんな」でもあります。働きがいのある会社って何だろうと想像した時、会社の存在意義によって世の中が良くなり、結果として給料が自分に返ってくるというイメージを僕は抱きます。
僕らは創業メンバーで最初に合宿をして、そうした議論を続けるところから会社をスタートさせました。社の理念である「みんなの願いを一緒に実現する会社」というキーワードもそこからつくられたものです。そして、それを実現するためには、自分の願いをきちんと実現できる人である必要もある。新しい事業、新しい社内制度。すべてこの理念からつくり上げられていくべきものだと考えています。
その意味では同じ理念や思いを本気で共有できないと、ここは途端に居心地の悪い会社になるかもしれません。「なんでこの人たち、こんなに熱く語っているんだろう」と僕らを見て思う人はたくさんいるでしょうから。一方で思いを共有した人たち同士が集まれば、力強くてブレない組織になるはずです。
だから会社を経営していく上で、僕はこの原点を常に忘れてはならないし、暑苦しいくらいに語り続けていくつもりなんです。理念をポーズではなく真剣に語る経営者になろう、と。
自分の人生における理念が会社の理念と重なり合って、それが同時に社会を良くすることにつながっていく。そんな会社をみんなでつくれたら、すごくいいなあ、って思うんですよ。