認知反応に影響する、鮮明なイメージ 

難しい話を聞いているうちに眠くなってくる経験は誰でもお持ちだろう。これは自分が理解できないことで飽きてくるため、思考をとめてしまったり注意をほかに向けたりするためだ。ところが、自分の身の回りの話に置き換えられたり、ぱっとイメージをしやすくなったりなど、自分自身が関わってきたとたんに話を聞き始める。会議や学生時代の講義でこうした経験をお持ちの方も多いだろう。

自分がわからないことを並べ立てられると、興味がなくなるばかりでなく、不快感すら覚えるかもしれない。だから、イメージを浮かばせる「たとえばアレです」が、イメージを鮮明に浮かび上がらせて聞き手の理解を促し、話も好意的に受け入れるようになる。

「鮮明な訴求は、少なくとも私たちの認知反応に影響を及ぼすと考えられる」*3)

イメージが浮かびやすい表現や理解しやすい伝え方は、内容を理解するために効果的に働く。聞き手が自分で理解できるイメージで話をとらえることで、注意を話に引きつけることができ、そのイメージは強く残る。印象が残ることで、あとで決断をくだすときには特に、その説得力は強いものとなっていく。

自分が効果的に使えるアナロジーを駆使することで、情報を、好印象を相手に強く残せるようになるだろう。

[参考資料]
*1)詳細は、2014年1月24日発売『「1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)をご参照ください。
Dale Carnegie, [1991]The Quick and Easy Way to Effective Speaking, Reissue,.
*2)『心を動かす話し方』(デール・カーネギー著、山本悠紀子監修、田中融二訳 2006年 ダイヤモンド社)
*3)『プロパガンダー広告・政治宣伝のからくりを見抜く』(A.プラトカニス/E.アロンソン 社旗行動研究会訳 誠信書房)

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