中司祉岐さん

【俣野】仕事ができる人は、例外への対応が相当得意な人だと思うんですよ。そもそも、仕事には例外がつきもので「それを歓迎してるなコイツは!」と見られます。

【中司】ビジネスの世界では、「うわ、ピンチだ、どうしよう、困った」とネガティブ感情を抱くこと自体間違っています。だから、ピンチに対して、「困った」と思わなかったらいいんですよ。ミスも同様にネガティブな感情を抜いて、「バグが起きた」と考える。だからピンチやミスに直面したら「よかった」と思ってバグの解消策を考えたらいいと思います。

【俣野】そこも織り込み済みにしなきゃいけないと思うんですね。このピンチへの対応は、時間の上手な使い方にも大いにつながってきます。スケジュールを組むときにバッファ(=時間的な余裕)を予め作っておくということが大切。例外が発生してもいいような時間的な余裕を事前に組み込んでおく。時間に余裕がある人は、時間の使い方が戦略的で特徴があります。

1つ目は、空き時間を最初につくってしまうということですよね。何が起きるかわからないから織り込まなきゃいけないと。織り込むためには、「ここは予備」と設定します。普通、予備は余った時間を充てるじゃないですか。そうではなくいちばん最初に予備を入れる。

2つ目は、余った時間を未来のために使う。緊急でないけど重要なことに時間を使うという認識。「今はべつに即効性はないけれども、将来は自分の役に立つ」ということに時間を使う。それは、周りから見れば余裕ですよね。周りの人は、火消しみたいに例外へ対応をしている中、その人は例外への対応が織り込み済みなので、もし例外が起きればそこで対応し、なければ未来への投資に使う。

【中司】時間には限りがあって、優先順位をつけて優先度の高いものから終わらせる。当たり前のようですが、これができていない人が、実はものすごく多い。