そうした金銭面を含めた対等な夫婦関係が築けるのも、夫婦ともに1人の人間として成長していて、お互いに全人格を尊重し合えるからなのだろう。ホーさんは「人間には『肉体』『精神』『お金』の3つの年齢があって、ユダヤ人も華僑も実年齢に応じてバランスよく成長しています。その一方で現代の日本人は肉体に対して残りの2つ、特にお金に関して未熟なままでいることが多いのではないでしょうか」と語る。
確かに、日本人は日頃お金のことを口にするのを避け、真正面から向き合おうとしない。家計簿をつけるのも日々のやりくり算段を行う“生活防衛”の意味合いが強い。しかし、渋沢栄一のように入るを量りて出ずるを為しながら積極的な投資を行い、約500もの企業、600におよぶ団体の設立や運営に貢献した先達を持っているのも事実である。
ユダヤ人や華僑の考え方を見習い、お金に振り回されないよう自由な人生を手に入れ、より豊かな社会を構築することに貢献していくためにも、私たちは家計やお金に対してアグレッシブな姿勢に転換していく必要がありそうだ。