人との接し方■目下の人にも丁寧に感謝の意を示せるか
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初対面の人に対して

10人が真っ先に挙げたのは、目下や外部の人との接し方だ。

メディカル系大手のエグゼクティブサーチを担当するケンブリッジ・リサーチ研究所、長谷川淳史取締役副社長は「役員の方はとにかく腰が低い。外部の若い営業員にも『ありがとうございました』と必ず挨拶をされるんです」と語る。

上下関係を嗅ぎ分け、下と判断した途端ぞんざいな態度に出るのはせいぜい事業部長止まり。「小役人」のごとく威圧的になる人もいるよう。

「謙るというより、懐の深さを感じる。『年下のリクルーターが』という見下し方はせず『お互いにメリットのある場に』というスタンス」とは、日系企業のグローバル人材を支援する、ロバート・ウォルターズ・ジャパンの大山良介人材支援室室長。

企業にとって、取引先との関係如何で未来が変わるといっても過言ではない。リクルートエグゼクティブエージェントで大手メーカーを担当する森博禎ディレクターは「謙虚なトップは部下の信用も厚く、往々に外部との横の関係も強い。これは万国共通」と語る。取引先への接し方は企業戦略として実利的な面も多分にあるかもしれないが、「実るほど頭を垂れる~」が共通項のようだ。

ヘッドハンターは単に人材を右から左に動かすのでなく、そこに至る過程で多くの時間と労力を費やすが、それに対する反応にも差が表れる。

「最終的に縁がないケースでも、そのプロセスに関わった人々、さらに我々エージェントにも感謝を表す。こういう方はいずれどこかでまたつながり、仕事に発展します」と大山さんは語る。受けた恩に感謝の念を表せるかどうかの差は大きい。

「我々の仕事に対して恩義を感じる人は、活躍している姿を常に見せてくれる。そういった方はどこの企業に行っても、トップまで昇っている」と、ケンブリッジ・リサーチ研究所でベンチャー企業を担当する丸尾洋祐シニアコンサルタントも語る。