役員からは100%お礼メールが来る
感謝の気持ちは、普段の何気ないやり取りからも垣間見える。会食の翌日、あなたは目下の人に対してもお礼を伝えているだろうか。
実は、役員クラスからは100%、翌朝お礼メールが届くと全員が言う。
「経営者の方々からは早朝に『~さん、昨日はありがとう』と、必ずフルネームを入れたメールが来ます。毎回私をイメージしながら書いてくれているのかと、頭が下がります」と語るのは、リクルートエグゼクティブエージェントで流通系企業を担当する久乗健次エグゼクティブコンサルタント。しかも、役員からのメールには一切「誤字脱字」がないので、信頼感がさらに高まるのだとも。一説によると、平社員の90%はお礼すら言わないという。それに加え、「困ったときにしか連絡してこない人物もいる」(長谷川さん)。
日頃のレスポンスにもトップの資質の有無が見て取れるのだ。
コミュニケーション力■誰にでもわかる言葉で仕事を語れるか
数多くの人材を見てきたからこそ、その人物の話し方、コミュニケーションの取り方で、役員にふさわしい人物か否かも判断できるという。
「経歴が華々しくても、会社を動かせる力とイコールではない。話し方、説明力、わかりやすい言葉で自分のやってきた仕事をどう語れるかが、判断基準の第一歩ですね」と、リクルートエグゼクティブエージェントのリテーナーサービス担当、中村一正シニアディレクターは言う。
小売業では現場を切り盛りするのはアルバイトであることも多い。流通系も含め、現場力が重視される企業ほど相手の目線に下りる会話力が重要になる。
「専門用語ばかりの難しい話をしていては現場には通じない。相手に応じた会話を使い分ける能力が絶対条件です」(久乗さん)