自ら成長するメイド
昨年11月、現役メイドのhitomiさんが「@ほぉ~むカフェ」を運営するインフィニア株式会社の取締役社長に就任しました。hitomiさんは、もともと秋葉原やメイドカフェに造詣が深かったわけではないといいます。8年前、たまたまメイドさんを募集していたオープン当初の「@ほぉ~むカフェ」に応募し採用されました。メイドさんになったhitomiさんは、普通の喫茶店とは違った、メイドカフェならではのおもてなしの素晴らしさを、一部のメイドカフェファンだけでなく、多くの人たちにも伝えたいと感じたそうです。当時はメイドブームで、テレビで紹介されることも多かったので、メイドカフェの素晴らしさを伝えようと、hitomiさんは積極的にテレビの出演にも応じていました。
hitomiさんも、「@ほぉ~むカフェ」の評価システムには、プレッシャーを感じたそうです。ただし、負けず嫌いの性格と、メイドカフェを多くの人に伝えたいという使命感で乗り越えられたといいます。そして、「お客さまを楽しませる」ためにがんばったことを、納得がいく客観的な形で評価されることで、自分自身の成長を感じ、自信につながったそうです。
また、「@ほぉ~むカフェ」の常連客には、社長就任の理由としてhitomiさんが持つメイドさんの素質を指摘する人もいます。hitomiさんは、店を訪れる頻度に係わらず、お客さまの名前と顔をきちんと覚えていて、お店では必ず名前を呼んで声をかけてくれるそうです。メイドさんに自分のことを覚えてもらえることは、とても嬉しい。それはちょうど、よく利用しているホテルで、ホテルマンに名前や好みを覚えてもらい、特別な応対をしてもらえることに似ている気がします。これは、お客さまを単なる「お客」として一括りで扱うのではなく、個々のお客さまにしっかり向き合って対応している証拠です。
「@ほぉ~むカフェ」のメイド育成システムは、メイドさんたちを互いに競わせる完全実績主義です。ただし、すべての評価項目が「お客さまを楽しませる」ことに基づいたもので、客観的数値だけで評価されるように体系化されていることが重要な特徴なのです。このシステムは、新規顧客を獲得するための必死な客引きや、上司にさえ気に入られればよいというような、「お客さまを楽しませる」理念からぶれた考えや行動を引き起こさないようになっているのです。だれもが納得できる実力評価だからこそ、hitomiさんが社長に就任しても、妬みや不満を生み出さずにメイドさんたちの憧れや目標となることができるのでしょう。
次回は、現役メイドhitomiさんの、社長としての活動について紹介します。