日曜日の夜が近づくと、憂鬱な気分になるのはなぜなのか。心療内科医の森下克也さんは「日曜日を土曜日と同じように過ごしてはいけない。月曜の朝のしんどさを防ぐには交感神経を刺激しておくことが必要で、おすすめの過ごし方がある」という――。(第3回)

※本稿は、森下克也『「月曜の朝がつらい」がなくなる本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

テレビをリモコン操作する女性
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記憶から「月曜日を消す」から嫌になる

日曜日は、いやがうえにも月曜日が意識されます。「サザエさん」が始まるころになると、なんだか気分が沈んでしまいます。これは、いやなことは記憶から消去し、いいことは覚えておこうとする心理と関連しています。

日曜日の朝、気持ちよく目覚めたとき、私たちは多くの場合、月曜日のことをまったく意識していません。休日の心地よい気分の中で「ああ、休みだ」と寝床の中で伸びをしながら、明日は仕事をしなければならない月曜日であるなどとはなぜかまったく考えないのです。これは、月曜日といういやなことを、記憶の表層から消去しているからです。

消去した結果どうなっているかというと、翌日が仕事であるということを考えないで日中を過ごし、日曜日の「快」の部分だけを抽出して、休んでいるその瞬間だけを楽しんでいます。

ところが、さすがに「サザエさん」が終わったころになると、明日の仕事が現実として迫ってきます。とても消去したままにしておくことができなくなります。そうすると、あたかも突然目の前に月曜日が出現したかのように意識されてしまうのです。

土曜日と同じ感覚で過ごしてはならない

ちなみに金曜日、私たちは朝から「明日は休日の土曜日だ」という意識を無意識のうちに持っています。これは、いいことは積極的に記憶にとどめて、「明日は休みだから頑張ろう」というモチベーションにしているのです。

では、「サザエさん症候群」をなくすにはどうすればいいでしょうか。

明日が月曜日であるということを消去するから気分が沈むわけですから、消去しなければいいのです。日曜日の朝から、明日が月曜日であることをしっかりと意識して、そのことを織り込んで、月曜日の準備も考えつつ過ごすということをしましょう。

日曜日は、明日が月曜日であるという点で、同じ休日であっても土曜日と性質を異にしています。だから、日曜日を土曜日と同じ感覚で過ごしてはいけません。では、どのように日曜日を過ごせばいいのでしょうか。それを以下にお話しします。