相手にいい印象を与え、好かれる人は何をしているか。プロ司会者で作家の鹿島しのぶさんは「メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手が世界中の人々から称賛を浴びていることの一つに挨拶がある。審判や相手チームの監督、イチロー選手やダルビッシュ選手だけでなく、バットボーイにも丁寧に接することが話題になった」という――。
※本稿は、鹿島しのぶ『ワンランク上のおとなの礼儀』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
こんな「小さなこと」で印象は決まる
世界的大ベストセラー『7つの習慣』などの著書で知られるスティーブン・R・コヴィーは、こういっています。
「小さな心遣いと礼儀は、とても大切である。人間関係において、小さなことは大きなことである」
と。また、『幸福論』で知られるカール・ヒルティも、
「人間の真の誠実は、たとえば礼儀正しさと同じように、小さなことに対するその人の態度に表れる」
と述べています。
コヴィーは1932年生まれのアメリカの作家・経営コンサルタント、かたやヒルティは1833年生まれのスイスの法学者です。
時代や国は違えど、世界の人々に影響を与えた著書のある二人が、同じように礼儀の大切さに言及しているのは興味深いところですが、「ちょっとしたことでも礼儀正しくあれ」という、この教えは、万国共通、誰にも必要なものだといえるでしょう。
たしかに、人と人との関係を振り返ってみると、じつは“ちょっとしたこと”の上に成り立っているものです。
たとえば、会ったときにちょっと頭を下げたり、微笑みを浮かべたりするなど、何気ないしぐさを積み重ねていくなかで、いつの間にかお互いを大切に感じたり、必要な存在だと思うようになっていくものです。

