職場で求められる能力として、一般社員は「コミュニケーション」、管理職は「交渉力」を一番に挙げている。多くの企業が求める「語学力」を挙げた人は2割程度にとどまる一方、「語学力」に自信がないと答えた人が9割を超えた。グローバル化が進む中、なおも内向きのサラリーマン像がここでも見えてくる。
「勉強は闇雲にしても効果が出るものではありません。特に社会人になってからの勉強は、何のためかという目的が明確でなければ本気になれないものです。年収の低い層や非正規層で勉強している人が少ないのは、そのせいもあるかもしれない。先行きが見えない中、何をどう学べばいいのかわからない人が多いのだと思います。語学、ITにこだわる必要はありません。これまでのキャリアをもとに、専門性をつけるとしたらどの部分なのか考えることが第一歩です」
社内にとどまらず、社外に人脈を築くことも重要だと守島氏は言う。
「東日本大震災以降、“絆”の重要性についてあらゆるところで指摘されていますが、私も人と人とのつながりが今後さらに大切になっていくと感じています。それは仕事をするうえで社外の人脈があると有利だとか、いざというとき頼れる人がいると助かるというだけではありません。会社に頼れないぶん個人同士のつながりを強くしていくという意味もありますし、もっと広い意味で、多様で広範囲なつながりを持っていることが人生をより豊かにしていくと思うのです」
(宇佐見利明=撮影)