世界で使われるサービスをつくりたい

【田原】もう1つ、大事なことを聞きたい。モバイルゲームでは「コンプガチャ」も社会問題になりましたね。これ以降、グリーは一切発言しなくなった。守安さんはどう受け止めていますか。

【守安】コンプガチャに関しては「JASGA(=一般社団法人ソーシャルゲーム協会)」という業界団体でルールをつくっています。同じような問題が起きないようにしたいと思っています。

【田原】なかにはコンプガチャは博打と同じで、DeNAはネット上のパチンコ屋じゃないかと悪口を言う人もいる。これに対してはどう反論しますか。

【守安】この問題は景品表示法の問題であって、ギャンブルとは違います。コンプガチャは即座に中止し、ユーザーにわかりやすい表示の徹底や、ネット企業では珍しい電話問い合わせ窓口設置などの取り組みを行いました。

【田原】子どもたちが何十万円も使うという実態はあったわけでしょう?

【守安】自分で判断できない子どもが大金を使える状態であったのは、問題だと考え、そこは改善して、現在は16歳未満が5000円、18歳未満が1万円という金額制限をかけています。

【田原】最後にもう1つ。僕は、事業をやる人には世の中をよくするとか、社会を変えたいという思いを持っていてほしい。守安さんはどうですか。

【守安】僕はゲームがいけないものだと考えていないので、当然、これからもゲームを楽しんでもらえる人を増やしたいと思っています。それと同時に、世界の人に使ってもらえる日本発のサービスを生み出していきたいという気持ちも当然ある。実際、ゲーム以外にもいろいろやっているんですよ。

【田原】たとえば?

【守安】いまなら「コム(comm)」です。これは実際のリアルの友達と無料通話したりコミュニケーションできるサービスです。音楽にSNS的な要素を入れた「グルーヴィー(Groovy)」にも期待しています。これは、たんに好きな音楽を買って聴けるだけでなく、音楽の好みが合う人とつながって、自分に合う曲を推薦してもらえたりするサービス。まだ明かせませんが、ほかにも新事業をいろいろ仕込んでいます。