不登校になった子どもをいつまで休ませるべきか。信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授の本田秀夫医師は「具体的な期限を決めないほうが良い。再登校することを目標としてしまうことで、子どもがさらに傷ついてしまう可能性がある。重要なのは、社会に出るための“土台づくり”なので、再登校よりも親子関係の良さを優先したほうがいい」という――。(第3回)

※本稿は本田秀夫『発達障害・「グレーゾーン」の子の不登校大全』(バトン社)の一部を再編集したものです。

机の上にうつ伏せに横たわる男の子を励ます母親
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再登校を目標にすべきではない

Q1
具体的にいつまで休ませればいいの?

子どもの欠席が続くと、親としては「いつまで休ませるべきか」「また学校に行けるのか」と焦りを感じるかもしれません。しかし、無理をさせることは禁物です。休ませる期間を「いつまで」と決めず、じっくり対応することが大切です。

私は、発達障害の子が不登校になったときにもっとも重要なのは「再登校してもかまわないけれども、再登校は目標にすべきではない」ということだと考えています。その理由の一つは、ここまでお伝えしたように、登校を目標にして頑張るのは、結果として親子関係を悪化させるための頑張りになってしまうことが多いからです。

子どもの欠席が続いているときには、「いつまで休ませればいいのか」「また学校に行けるようになるんだろうか」といった焦りを感じることもあると思います。しかしそこで子どもに無理をさせると、本人の二次障害や親子関係の悪化の可能性があります。「いつまで」と決めずに、じっくり対応していきたいところです。