環境があっていないのであれば、無理をする必要はない

私はよく次のようなことお伝えしています。これらの話もすべて、「再登校を目標にすべきではない」という考え方につながっています。

・学校に行きたくない理由を言語化できない子もいます。不登校の背景を理解するのは簡単ではありません。それでも子どものことを理解しようとするのが大事です

・発達障害の子の不登校は「個人と環境のミスマッチによって起こるもの」です。環境的な要因(例えばノルマ化とダメ出しが多いこと)への対応が重要になります

・発達障害の子の不登校では、環境的な要因の比重が大きくなります。それは「環境を調整すれば、不登校は予防できる」ということでもあります

・子どもが「学校に行きたくない」と言い出すのは問題の最終段階です。無理に登校を続けていると、二次障害が起こりやすくなります

・学校の環境が子どもに合っていない場合には、登校しても健やかな成長につながらない可能性が高いです。子どもが登校することを頑張るのではなく、大人が環境調整を頑張りましょう

・文部科学省は教育機会確保法の基本的な考え方として、「登校という結果のみを目標としない」というポイントを示しています

社会に出るための“土台づくり”が重要

子どもが学校に行くことを楽しいと思っていて、授業や集団活動にその子のペースで参加することができて、さまざまなことを十分に学んだり、経験したりできるのなら、もちろん登校したほうがいいでしょう。