世界経済は、欧州危機を前に、ますます混迷の度を深めている。このような不透明な時代には、どのような資産が頼りになるのか。ビジネス界の重鎮が、効果的な「お金」の増やし方を指南する。
堀 紘一氏

雇われているうちは、そこそこの稼ぎしかできないよ――。そんなふうに決め付けて、あきらめかけている人は多いのではないか。

一般論としてはむろん正しい。だが、いくつかの条件が重なると、サラリーマンでも莫大といえるほどの収入を得ることはできるのだ。

時代や業種などにより条件の細部は変動するが、核になる考え方は同じである。ぜひ自分の身に置き換えて、以下の話を読んでほしい。

まず1つは、自分の価値を引き上げて高収入を得るための方策だ。

1981年春、私はコンサルティングファームのボストンコンサルティンググループ(BCG)に入社した。契約金(サインアップボーナス)の300万円を別にすると、初年度の年収は1200万円ほどだった。

その後、私は戦略コンサルタントとしてのキャリアを重ね、日本法人社長を経て、2000年にはドリームインキュベータを創業してBCGをめでたく“卒業”する。その間、私の年収は一貫して増え続けた。

たとえば95年、社長時代の年収は2億4000万円だった。世界中に7000人くらいいるBCGのコンサルタントのうち、会長、社長に次いで3位の額である。

わずか15年のうちに、年収1200万円が2億4000万円へ、20倍に増えたのだ。複利で計算すると年率22%の伸びである。