2025年3月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。政治・経済部門の第4位は――。
▼第1位 すでに中国による侵略は始まっている…国立大教授が危機感を覚えた中国人留学生による学会でのひと言
▼第2位 だから日本の若者は結婚も子供も望まなくなった…子育て支援策は3倍に増えたのに出生数は30%も減った理由
▼第3位 備蓄米放出で「5キロ2100円」に半減するはずなのに…「コメの値段」を本気で下げようとしない農水省の罪深さ
▼第4位 だから「コメの値段」は下がらない…「転売ヤーのせい」にしたい農水省と、「利権」を守りたいJA農協の歪んだ関係
▼第5位 「反リニア」の川勝知事のほうがマシだった…「推進派」知事がトップに立っても開通が「遠い未来のまま」なワケ
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▼第4位 だから「コメの値段」は下がらない…「転売ヤーのせい」にしたい農水省と、「利権」を守りたいJA農協の歪んだ関係
▼第5位 「反リニア」の川勝知事のほうがマシだった…「推進派」知事がトップに立っても開通が「遠い未来のまま」なワケ
なぜコメの値段は下がらないのか。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は、「価格高騰の根本原因は、減反政策による生産量の減少だ。価格を下げるには減反政策を廃止すべきだが、JA農協がある限り、それはできないだろう」という――。
ウソをつき続ける農林水産省
農林水産省は昨年夏、長年続いた減反による生産量の減少と猛暑の影響で深刻なコメ不足を招いた際、卸売業者がため込んでいるという虚偽の主張を行い、何の対策も講じなかった。昨年8月には「新米が出回ると価格が低下する」と主張したが、価格は逆に史上最高値まで上昇している。
価格が上がるのは、需要に対して供給が足りないからだ。
この経済学の基本を無視して、農林水産省は投機目的で業者が21万トンものコメをため込んでいるからだという虚偽の主張を繰り返している(参考記事 「消えたコメ」を探しても絶対に見つからない…「コメの値段は必ず下がる」と言い続けた農水省の"壮大なウソ")。
農林水産省がかたくなにコメ不足を認めないのは、備蓄米を放出して米価を下げたくないからだ。官邸筋から言われてしぶしぶ備蓄米放出に応じたものの、卸や小売業者ではなく集荷業者のJA農協に売却したり、1年後に買い戻す条件を付けたりして、放出しても米価が下がらない仕組みを考えた(参考記事 だからコメの値段が下がらない、下げるつもりもない…JA農協のために備蓄米を利用する農水省の呆れた実態)。
それにしても、国民・消費者を敵に回してまで、なぜ農林水産省は米価を下げたくないのか?
それは農家のためではない。高い米価で利益を得ている特殊な組織のためである。