TOEICで高得点をとるには、どのような学習方法が効果的なのか。280点⇒940点に飛躍的に英語力を向上させた英語コーチのマーク(村木幸司)さんは「勉強しているのにスコアが思うように伸びないのは、学習法が間違っているからだ」という――。

※本稿は、マーク(村木幸司)『見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

スコア別の3つの勉強法

「勉強しているのに、TOEICの点数が思うように伸びない……」

そんな悩みを抱えている英語学習者も少なくないと思います。

かくいう私も例に漏れず、そんな一人でした。

今でこそ英語コーチとして英語を教える仕事をしていますが、30代で英語の学び直しを始めたときのTOEICのスコアは280点ほど。学生時代の英語の成績は平均点かそれ以下で、むしろ苦手意識すら持っていました。

そんな“英語難民”だった私が、どのようにしてTOEICで940点以上をとるまで英語力を飛躍的に伸ばせたのか――。

英語難民だった私が英語力をアップできたのは、やみくもに勉強するのではなく、目標スコア別に勉強法を特化したからでした。

具体的には、自分のそのときのレベルに合わせて目標スコアを3段階に分けて、それぞれのスコア別に以下のように学習内容を特化しました。

・500点まで⇒英文法の基本
・500~700点⇒語彙を増やすトレーニング
・700点以上⇒公式問題集の反復学習+シャドーイング

本稿では、私が940点をとるまでに実践してきたスコア別の学習方法を、くわしくお伝えしたいと思います。

英語難民が最初にやるべきこと

そもそも私が英語の学び直しを始めたきっかけは、当時勤めていた会社の昇格条件に「TOEIC500点以上」という要項があったからです。昇進のために2年間、ネイティブ講師の英会話学校に通いました。

毎週、ネイティブの講師のレッスンを受け、それなりに英会話を楽しむことができたのですが、TOEICの点数は思うように伸びませんでした。それものそのはず、私の英語習得の目的は英語を流暢に話すことではなく、TOEICの点数を取ることだったからです。

そこで私は、日本人講師から中学レベルの英文法を学び直すことにしました。英会話ではなく、語彙を増やすことにフォーカスするわけでもなく、まずは基本となる英文法を学ぶことにしたのです。

日本人講師に教わりながら自宅でも英文法の勉強をしました。私が中学英文法の学び直しに使ったテキストは、いいずな書店の『総合英語Evergreen』(当時は『総合英語Forest』)と、くもん出版の『中学英文法 スーパーステップ』の2冊。これらを端から端まで読んで、徹底的に頭に叩き込みました。

中学校の頃にはあいまいだったこと、わからなかったことが、大人になって学び直しで読んでみたら、すっと頭に入ってきました。これらの本は中学生が高校受験のために使うもので、ほとんど同じことが書かれているので、どちらか1冊を持っていれば中学英文法の復習は十分できます。

こうして英文法をいちから集中的に学習したところ、その効果はすぐに出ました。徐々に簡単な文章が読めるようになり、それまで300点台だったTOEICのスコアが460点⇒550点と着実に上がったのです。

この頃から英語の勉強が、おもしろくなってきました。

テストの解答用紙
写真=iStock.com/Kana Design Image
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