何かを始めようと思っても、なかなか行動に移せないのはなぜなのか。企業へのブランドコンサルティング業務を手がける「Maslow」CEOのマズロー安達さんは「動き出したいけれど決断できないのは、『選択肢が多すぎる』からである。『決めなければならない』ストレスを軽減できる、スティーブ・ジョブズも実践していた仕事術を試してほしい」という──。
※本稿は、マズロー安達『一番効率的な成果の出し方がわかる 図解 デキる人の思考法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
「行動できない人」から「始められる人」に
なぜ行動できないのか? 「葛藤」が足を引っ張っている
変わりたい、成長したいという気持ちがあるにもかかわらず、なかなか動き出せない。そのようなときは、あなたの前向きな心に反発する「葛藤」が足かせになっていることがあります。葛藤を抱えていることに、あなた自身が気づけていないことも多いですし、うすうす気がついていながら、見ないふりをしている場合もあります。
ドイツの詩人であるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、「前進しない人は、後退をしているのだ」という言葉を残したと言われています。あなたの足を引っ張る葛藤を放置したままでは、視野も狭まり、成長スピードも落ちていくばかり。葛藤の正体を見極めるには、自分の「本当はこうしたい」という欲求に反発する感情や価値観を探ってみましょう。
葛藤の正体は「不安」や「恐怖心」。正体が明らかになれば手放せる
私は大学生のときから「デザイナーになりたい」という気持ちを抱えていました。でも、「正社員=安定」という常識に知らぬ間にとらわれていたため、親を安心させるために、正社員として働ける可能性のある営業職に就いたのです。
そうなると、いくら「営業成績を上げよう」と考えても、無意識の「葛藤」が心の足かせとなり、ずっしりとまとわりつきます。そして、頭ではいくら「やらなきゃ」と焦っても、体は拒否反応や逃避行動を起こすため、まったく成績が上がらない状態が続き、ついにはクビになりました。
誰にでも「こうでなければならない」という思い込みや、新しいことに対する不安や恐怖があります。その正体を知り、手放すことで、よけいな重荷をなくし前に進むことができるのです。