タモリだけがなぜかあまり叩かれない理由

芸能人やタレント、あるいはスポーツ選手は、少し売れて有名になってくると、「あいつは最近生意気だ!」などとアンチに叩かれることが多くなります。

ところが、タモリさんはというと、あれほどの売れっ子なのに、なぜかあまり叩かれません。これはいったいどうしてなのでしょうか。

その理由は、タモリさんがものすごく謙虚だから。

芸能界の大御所であるにもかかわらず、タモリさんは偉ぶることがありません。いや、偉ぶるどころか、卑屈すぎるのではないかと思うくらいに謙虚です。

タモリさんが謙虚であることは、ご自身のことを次のように評していることからも推察できます。

「冗談じゃない! あいつはなまけものですよ、台本渡しても覚えてこないし、その場で何とかごまかしちゃう。それを本人は“現場主義”とか言ってるけど、あれは才能でも何でもなくて根が不真面目でめんどくさがり屋なだけ」
(『週刊明星』 1982年3月25日号 p56)

ホメられると照れてしまうのでこんなことを言っているのかもしれませんが、それでもタモリさんが謙虚なことがよくわかります。

自分を大きくではなく、むしろ小さく見せる

普通の人は、偉くなるにつれてどんどんイヤな人間になっていくものです。傲慢で、鼻持ちならない人間になっていくのですね。ところが、タモリさんは逆。芸能界の大御所とか、ビッグ3などと言われるようになっても、決して偉ぶりません。

そういう謙虚さがあるからこそ、タモリさんに対するアンチが生まれないのではないでしょうか。

みんながタモリさんのファンになってしまうのは、タモリさんがびっくりするほど謙虚だから。謙虚な人は敵を作りません。

ノーザン・イリノイ大学のステファニー・ヘナガンは、4つの会社の不動産販売員について調査し、社内賞をとったりする優秀な花形販売員ほど、謙虚であることをあきらかにしています。

優秀な人は同僚たちから妬みや怒りなどの不快感を持たれやすいのですが、優秀であっても謙虚なアピールをしている人は、敵を作らずにすませられるのです。

深々とお辞儀をするビジネスパーソン
写真=iStock.com/Jacob Wackerhausen
※写真はイメージです

私たちは、つい見栄を張って、自分を大きく見せようとしてしまうことが多いのですが、本当は自分を大きく見せようとするのではなく、むしろ小さく見せたほうがいいのかもしれません。そのほうが敵を作らず、のんびりと生きていけます。

タモリさんの教え
謙虚な人は、敵を作らずに生きられる