3つ目は「マネジメント」です。これが非常に難しい時代になりました。27歳の社会学者・古市憲寿氏が書いた『絶望の国の幸福な若者たち』にあるように、現代の若者の価値観や人生における目的は多様化しています。「出世して、貯金して、一戸建てを建てて……」という大多数が抱いていた価値観は、もはや過去のものです。

上司が必死に旗を振っても目的地はバラバラですから、うまくいくはずがありません。若い部下たちのやる気を引き出し、能力を伸ばすためにはどうすればいいか。『ハッピー社員』や『ダイアローグ 対話する組織』に、そのヒントを見出すことができます。

『ハッピー社員』金井壽宏/プレジデント社
リーダーが嬉々として働き、仕事の喜びを伝えられなければ、部下は気持ちよく働けるはずがない。そんなハッピーに働くためのエッセンスがつまった一冊。

『ダイアローグ 対話する組織』中原淳、長岡健/ダイヤモンド社
ビジネスにおける基本は「ダイアローグ(対話)」にある。「対話なくして成長なし。職場におけるコミュニケーションの意味を再認識させられる」。

最後は「グローバルマインドセット」。グローバル化に対応するには世界を肌で感じるしかありませんが、その前に日本の強みや弱みを知ることも重要です。『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』は、日本のよさを再認識できる一冊です。

今の時代、絶対的な答えなどありません。だから本を読む、国外に出る、人に会うなどして自ら思考することこそがマネジャーに必要なのです。

『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』竹田恒泰/PHP新書
世界で注目を浴びる日本。そのよさはどこにあるのか? 「外からの見方と日本人の本質を理解し、そのよさ、強さを認識することがグローバルの第一歩」。

『リーダーは半歩前を歩け』姜尚中/集英社新書
理想のリーダーとはカリスマではない。人より少し先に考え、行動する人物のことである。古今東西の政治家の分析を通じ、今求められるリーダー像を探る。

『論点思考』内田和成/東洋経済新報社
問題解決の最上流にある論点(解くべき問題)を見出し、設定することこそが、リーダーに求められる力である。「論理では部下は動かないことを知る本」。