草食系中年:子供の食育で土いじりパパ急増中

【和郷】利用の3割は団塊ジュニア/5坪タイプの年会費は8万4000円で、種、メンテナンス料も含まれている。クラブハウス、宿泊用コテージなど農園リゾートとしての整備も進み、さらに利用価値が高まりそうだ。

都心から車で1時間強。千葉県香取市の田園地帯に和郷が運営する会員制農園リゾート「ザ・ファーム」はある。広さは15ヘクタールで、2009年から整備に取りかかり、11年夏、500区画の個人向け貸農園募集をスタート。1年目は60区画が埋まった。

立ち上げから事業に関わっている同社プロジェクトマネージャーの蓮池良太氏は「ここでは農作物に“旬”があることを体験してもらう。種まきからはじまって、肥料を施し、収穫しますが、自分で育てた作物はどんなものより美味しい。お子さんの野菜嫌いもいっぺんに直ってしまう」と話す。

つまり食育ということだが「子供に自然と食を教えたい。と同時に自分たちも一緒に楽しみたい」というニーズは、30~40代の夫婦に多いという。貸農園の年代別利用で見ると、この団塊ジュニアを含む層が3割。住んでいるところは、都内と神奈川県で大半を占める。土日も関係なく働くというのはもはや昔の話。いまでは“草食系中年”が増えているようである。

「朝早めに自宅を出発して、昼前にはここに到着し、農場で作業をする。新鮮な野菜でお腹が一杯になったら、周囲の森で遊んでもいい。昆虫もいて、普段はあまり格好いいところを子供に見せる機会のない父親にとって出番が多い」と蓮池氏はいう。

ファーム全体は整備が続いている最中で、クラブハウスや宿泊用コテージ、レストラン、直売所などもオープンする予定である。そうなると、ここを拠点に周辺の山や海にも足を延ばせることになり、レジャーの楽しみも倍加しそうだ。