時間よ止まれ願望:脱毛症でお墨付き得て1人勝ちのリアップ
男性が発毛剤、育毛剤のCMを気にし出すのは、シャンプーの際に指に絡まる抜け毛が多くなったときだ。早い人だと20代後半からなることがあり、頭の毛を鏡で見ながら「時間よ止まれ願望」を抱く団塊ジュニアも多い。
そうした願望を満たす発毛・育毛剤の市場規模は12年3月末で約360億円。そのなかでシェア50%強と1人勝ちなのが大正製薬の「リアップ」だ。11年度のメーカー出荷額は142億円で、この5年間で実に42%も伸びている。
好調さの要因を広報室の衞藤淳主事は、「09年6月に発売された『リアップ×5』の存在が大きい。有効成分ミノキシジルを5%に増量したことに加え、10年には日本皮膚科学会が脱毛症診療ガイドラインで外用としては唯一『強く勧められる』としたことも、強いアピールになった」と分析する。
とはいえ、毛髪が成長するまでには時間がかかる。衞藤氏によれば「効果が期待できるのは、おおむね4カ月」。1本、ひと月分が7400円の「リアップ×5」なら3万円近い出費だ。それだけの費用対効果を得るためのポイントの1つが使い始めの時期である。
「当然、若い方のほうが効果は出やすい。もちろん新しく生えることが最大の改善だが、抜け毛が減ってくるとか、うぶ毛、細い毛髪が濃く、太くなるということも大きな変化。つまり、進行が抑えられ、現状を維持しながら発毛を促していくことになる」(衞藤氏)
現在、大正製薬では営業マン900人が店頭に出向く直販体制を整えており、リアップの効果を団塊ジュニアをはじめとするユーザーに強くアピールしていく考えでいる。