増税抵抗消費:就学期迎えてさらに住宅購入意欲を刺激

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子供が大きくなると下がる借家率(出所:総務省「住宅土地統計調査」(08年))

家を持つということには結婚と同じように適齢期がある。それを裏付ける数字が、総務省の「住宅土地統計調査(08年度)」に表れている。1番目の子供が3歳未満では68%もある借家率が、6~9歳になると36%まで下がる。つまり、就学期の子供を持った団塊ジュニア層は、戸建て住宅マーケットからすれば潜在成長力を秘めているといっていい。

これを受けて、大和ハウス工業では昨秋、都心に住む30代をターゲットにして、共働き子育て世代向け住宅「ジーヴォリアン」を投入。年間販売千数百棟を目指すという。この戦略商品のコンセプトについて同社住宅事業推進部の金田健也次長は、「家族との絆を深めるというテーマで企画・提案しました。この世代に特徴的な、いろいろな仕様から自分のライフスタイルに合ったものを選びたいというニーズにも配慮した」と説明する。

具体的には、1階と2階の階段の踊り場を拡張した「ファミリーステージ」は、そこから父親が子供たちを見守るという設定。また、玄関スペースをゆったりと確保し、日曜大工などに使える「パパ土間」といった工夫である。

ところで、団塊ジュニアの親たちである団塊の世代も元気だ。最近では、子供夫婦との関係も「近居・育孫」がキーワードになっているらしい。おおよそ30分圏内に住み、シニアが孫とも頻繁に触れ合う。こんな良好な付き合いになれば、住宅取得資金の援助も期待できる。住宅ローンの金利も下がり、再来年には消費税増税もある。間違いなく駆け込みの増税抵抗消費のウエーブが期待できるだろう。