キュレーターリスト
・国際政治アナリスト 菅原 出
米国を中心とする外交、安全保障、インテリジェンス研究を専門とし、アメリカ、アフガニスタンなどを自ら取材する。世界の情勢について見識を持っているはずの専門家には、誤った情報に踊らされ、「陰謀論」に傾く人も多い。その中でも、海外メディアの報道と自分の現地での取材をつきあわせて見識を披瀝する稀有なジャーナリスト。著書の『ウィキリークスの衝撃』『民間軍事会社の内幕』等のほかに、HP、メルマガ、日経オンラインでも寄稿を読むことができる。
HP●「GLOBAL ANALYSIS」http://i-sugawara.jp/
・東京大学教授 北岡伸一
2004年に国連大使就任、06年に東京大学法学部教授に。氏の論考から日本の外交や歴史的な立場を踏まえた日本のポジションがわかる。東日本大震災直後に「米国で排日移民法が成立したのは関東大震災で親日世論が高まった翌年」(2011年5月10日付毎日新聞)と寄稿。人道的見地とは別の、ドライな国益を介した国際関係の厳しさを指摘した。TPP問題の是非など、情報のバイアスが強くなりがちな日米関係で、一歩引いたフラットな視野を提示する。
著書●『グローバルプレイヤーとしての日本』
・東京外国語大学大学院教授 酒井啓子
日本では比較的少ない中東、特にイラクの専門家で、現地でのフィールドワークを続けている。ビン・ラーディンにひきつけられる中東の若者を、日本の引きこもりのオタクを指す「非リア充」になぞらえて解説した(2011年5月10日付「中東徒然日記」)。石油など大きな利害関係があるのに、日本人にとっての中東は身近な存在ではない。氏のわかりやすく、情報リテラシーの高い発信を非常に参考にしている。著書に『イラクとアメリカ』など。
連載●「中東徒然日記」http://newsweekjapan.jp/column/sakai/
・ジャーナリスト 富坂 聰
北京大学に留学したのち、豊富な人脈を活かした中国のインサイドリポートを続ける。中国の指導者が代々「誰からも異論の出ない人選」であることから、ポスト胡錦濤に習近平(国家副主席)をいち早く候補としてあげた(2009年11月11日付WEDGE Infi nity)。尖閣をはじめとする領土問題、古くは歴史認識まで、日中関係の報道は断片的で感傷的になりやすい。そんな日本のメディアの弱点を補って、懇切丁寧に解説してくれる。
連載●「チャイナ・ウォッチャーの視点」http://wedge.ismedia.jp/category/chinawatcher
1964年、東京生まれ。スポーツ誌記者を経て、93年ニューズウィーク日本版編集部。2001年編集長。10年より現職。