【化学】採用時の語学力と海外で商談をまとめる力とは関係ない。うちには欧米企業に製品を売り込み、実績を挙げている営業マンがいるが、彼のTOEICの点数は500点なんだ。要はビジネスセンスやコミュニケーション能力であって、点数とは関係ないよ。

【精密】物怖じしないコミュニケーション能力と度胸、後はどんなところにでも飛び込んでいける力が海外に行ったときに生きる。今年、いずれ海外に行かせようと思い、ラグビー部出身で英語ができる学生を1人採ったよ。

【金融】メガバンクは、大量採用でしかも短い期間に集中的に選考している。10~15分の面接をたくさんこなして大変だという。おそらく選考プロセスで学生を絞っていくための要件として英語力を使っているのではないか。

【精密】うちはエントリーシートに「資格」の欄を設けているが、TOEFL、TOEICの点数を書いてくる学生が多い。TOEICの点数を持っていることが就職に有利だと思っている。

【金融】確かに今年は、TOEICの点数でいえば、700点、800点という学生がごろごろいたね。

【化学】語学力だったら外国人にかなわないよ。うちは毎年、外国人を20人ぐらい採用していて、今では国籍で言えば16カ国ぐらいの社員がいる。これからは海外の大学生も含めて世界規模で採用していく。なぜ外国人を採るかといえば、日本の学生は総じて元気がない。外国人の学生は、ハングリー精神、向上心の高さは日本人の学生と全然違う。

【IT】うちも外国人採用は積極的にやっている。アメリカでもハーバード、スタンフォード、UCLA、バークレイといった有名大学からも採用している。ただ、最近わかってきたのは、彼らは経済学など専門の学問を勉強し、3年程度で日本語も修得できる。優秀には違いないが、仕事をやらせてみると、段取りも組めないし、全然使えない人もいる。どうも頭のレベルという点では日本の学生の上澄みの部分とたいして変わらない。

【化学】今年はハーバード、スタンフォードの学生が採れたといって喜んでいる採用担当者もいるが、それじゃ、日本の学校歴採用と同じだ。やはり、実際にビジネスでうまくやれるかどうかだ。日本の学生と同じように人物本位で採用しなければ、意味がないね。