これは携帯3社による談合ではないか

2011年から急速に普及が進んでいるスマートフォン人気を受け、携帯電話の機種変更を行ったという人も多いだろう。そんな携帯業界でこのところ問題視されているのが、いわゆる契約の「2年縛り」だ。

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ほとんどの期間で「2年縛り違約金」が発生

2年縛りとは、携帯電話の基本料金や通話料金を割り引く代わりに、2年間ごとの契約継続を求めるもの。NTTドコモをはじめ、au(KDDI)、ソフトバンクモバイル(SBM)など、大手キャリアはどこもよく似た2年縛りの契約を事実上の標準プランとし、各キャリアの新規加入者の8~9割が、こうした2年縛りのプランに加入しているという。

しかし、こうしたお得プランの裏側には、キャリア側がユーザーを囲い込むために仕組んだ策略がある。契約期間中に解約や他キャリアへMNPで乗り換えをすると、各社横並びで設定された9975円の「解約金」を支払う必要があるのだ。解約金がかからないのは、契約から2年満了時のわずか1~2カ月間だけ。この期間がすぎると自動的に契約が2年間延長となってしまう。

この契約の是非を巡って、12年3月に消費者団体の京都消費者契約ネットワーク(KCCN)がKDDIを相手取って起こした解約金の差し止めを求める訴訟について、京都地方裁判所は原告の訴えを認め、KDDIに解約金の一部返還を要求した。だが、同様の内容でドコモを相手取った訴訟では、反対にドコモ側の言い分が認められ、解約金の請求を有効とする判決が下った。

原告であるKCCN事務局長の長野浩三弁護士は、「不当判決だ」と声高に主張する。

「そもそもこの料金制度は、本質的にキャリアが主張するような『割引』ではなく、他社の料金に対抗するためにつくられた金額設定で、そこに顧客を囲い込むための『解約金』を加えただけのもの。つまり適正価格を割引と称しているだけなんです。それでいて大手3キャリアあわせて年間1兆円超という莫大な営業利益を挙げている。キャリア側は、契約期間中の解約による“損害”を補償するための解約金だと言っていますが、損害の実態が存在していないといえます」