投資に必要な「種銭」をどのように作ればいいのか。会社員時代から投資を始め、1億8000万円の試算を築いた個人投資家の桶井道さんは「現代人はムダにお金を使っているシーンが山ほどある。使途不明金ならぬ“目的不明金”をなくして、それを投資に回してムリなく運用すれば驚くほどの資産を築ける」という――。(前編/全2回)

※本稿は、桶井道『普通の人のための投資 いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。

だらだら支出を見直すだけで、2700万円の資産!

日常のなかには、もはや習慣になっている「だらだら支出」がたくさんあります。具体例をいくつかあげますが、ほかにもいろいろありますので、自分の支出を見直してみてください。

●ドリンク代

最たる例が「ドリンク代」です。自販機やコンビニで購入するペットボトル飲料や、ランチのときのドリンクがこれにあたります。

コーヒードリンク
写真=iStock.com/shironagasukujira
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もし、これらをマイボトルに替えたら、それだけで数百円節約できます。「ケチケチするなよ」と思うかもしれませんが、投資家目線で考えるとバカにできません。

ドリンク代(および、このあとご紹介するもの)を節約して、1日あたり500円を浮かせたとしましょう。365日継続すると、約18万円になります。ビジネスパーソン人生が22歳から65歳までの43年間と仮定すれば、18万円×43年間で、なんと約774万円です! 774万円は、「老後2000万円問題」のうち、約39%にもあたる見逃せない金額です。

さらに、これを年率5%で複利運用したとすると、恐ろしい金額に跳ね上がります。

月1万5000円(1日500円)×12カ月×43年×年率5%で複利運用=2716万円

年月と複利の力は恐ろしく、だらだら支出を見直して、1日500円を浮かせるだけで、「老後2000万円問題」はクリアできてしまうのです。

●プチ贅沢

「自分へのご褒美」を言い訳にした、プチ贅沢も節約の的です。

しょせんプチ贅沢はプチ贅沢なので、お金がもたらす威力を味わうこともできません。結果的に、満足せずに繰り返し、ムダな浪費につながります。

贅沢をするときは、しっかり贅沢しましょう。そうすることで満足感が長続きし、不用意に繰り返す可能性も低く、お金の威力も思い知るので、節約意欲と投資意欲が増します。