犯罪歴があるのに不倫にこだわるのは得策ではない
こういった心理の詳細は心理学などの分野で分析されているものと思われますが、弁護士からお伝えしたいアドバイスは、「離婚したい場合、こういった犯罪歴があるのに不倫にこだわるのは得策ではない」ということです。
「不倫の方が慰謝料がもらえるから」と考える方もいるかもしれませんが、昨今は不倫の慰謝料が低くなる傾向にあり、裁判における相場は100万円に満たないものが多いです。また、探偵費用を上乗せして請求できるということもないため、慰謝料額を探偵費用が超えれば経済的なメリットもありません。
不倫はあくまでも民法上の不法行為です。刑法上の犯罪の方が、一般的には悪質性が高い行為といえます。
しかし「離婚と言えば不倫」、そして「不倫の証拠が必要」というイメージが根強いため、不倫の証拠集めにこだわってしまう人が後を絶ちません。昨今は同じようにモラハラにこだわる人も増えてきています。
どういった事情を理由に離婚できるかは、なかなか自分では判断が難しいと思います。まずは弁護士に相談してアドバイスをもらうのがよいでしょう。
とはいえ、相談の際に、恥ずかしいことだからと考えて、配偶者に犯罪歴があることを隠してしまう人もいます。これは弁護士からすると有利になる事情を隠されていることになってしまいますので、隠したりはせずに、正直に話すことをおすすめします。