犯罪では離婚を考えない人も多い
他にも、横領や薬物使用などでも、似たような事例を経験したことがあります。
こういった人に話を聞くと、そもそも配偶者が犯罪をしても、それだけでは離婚したいと思わないようです。特に盗撮などのいわゆる性犯罪は、本来不倫よりもインパクトがある行為に思われますが、あまりそう思わずに結婚生活を続けています。
客観的に見ると、性犯罪は不倫と同じように配偶者への裏切りですし、窃盗などの犯罪も平穏な家庭生活を脅かす裏切りと言えますが、特定の相手と肉体関係を持つことに比べると、自分が裏切られたという実感がわかないのかもしれません。
また、自分が被害を受ける側ではないと、相手が危険な人だ、離れないといけないという考えにもあまり至らないようです。
さらに特徴的なのは、だからといって、配偶者に病院に行くことを勧めるなどの対策を行うわけでもなく、「あの人はしょうがない人だから」程度にしかとらえていないということです。
配偶者が犯罪をするのが日常的なことになってしまった結果、「犯罪を繰り返すのは病的な原因があり、それを取り除かないとやめられるものではない」という認識を持てなくなってしまっているのだと思います。
余談ですが、配偶者の犯罪で示談に奔走した人でも、前科が付かないように、または会社に知られずに身柄拘束を早く解きたいという思いで動いているだけで、被害者に対する感情はあまり持っていないことが多いです。
世間は「犯罪者の家族にも道義的責任がある」と思いがちですが、血縁関係のない配偶者の犯罪については、どこか他人事という人が多いです。