システムは予約状況や日程の変更を常時把握し、第一希望のホテルが満室の場合は近隣の代替施設を提案するなど、柔軟な対応を行う。希望の条件に合う施設がなく人間の判断が必要な場面では、処理を中断して人間の判断を仰ぐ。すでに今年9月にアメリカで限定アルファ版をリリースしており、2025年初頭の一般提供開始を目指している。

このサービス単体では、条件に合致するホテルがない場合、人間の判断が必要となる。だが、将来的に先の人格コピーAIのようなエージェントとの組み合わせが実現すればどうだろうか。本人ならば好むであろう次善の条件で自動的に再検索を行い、ユーザーは最終確認に同意するだけで出張の手配が完了するかもしれない。

このようなほぼ完全な自動化は、この先AIが発展するにつれ、ホテル予約に限らず日常の業務の広い範囲をカバーするようになることも考えられる。

進化をつづける生成AIに、活用のアイデアが求められている

生成AIは、私たちの働き方や生活を大きく変えようとしている。その変化の方向性は、大きく2つに分かれるだろう。

一方は、ChatGPTに代表される「アシスタント型AI」の進化だ。しかし、その発展には早くも限界が見え始めている。データ量と計算能力を増やすだけでは、もはや劇的な性能向上は望めない。

他方は、急速に注目されるようになった「エージェント型AI」だ。人格を再現するAIや、パソコン操作を代行するAIなど、エージェント(人間の代行者)として、自律的に行動するモデルの開発が加速している。

まだ発展途上だが、その可能性は計り知れない。出張の手配など本業務以外のタスクを代行させれば、よりゆとりを持って本来のタスクに当たることができるようになるだろう。

また、中核業務についても、自身の知識とバックグラウンドに基づいた業務計画の候補を挙げさせるなど、人間のタスクを部分的に担わせることができるかもしれない。その上で人間が最終判断とブラッシュアップを施せば、これまでよりも質の高い成果物を短時間で出せることだろう。

エージェント型AIはまだ開発のごく初期段階にあるが、常に進化している。最新のトレンドを把握し、いかに生活に取り入れるか、ユーザーとしても使い方にアイデアが求められそうだ。

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