「家政学」とはどんな学問なのか
その領域には衛生、栄養(調理)、被服(裁縫)、保育(育児)、経済など、家庭の経営(ホーム・エコノミクス)に関するものが多岐にわたって含まれている(*3)。たとえば細菌による感染症をはじめとする病気への対策として、家政学と公衆衛生の実践がお互いに呼応するように、家庭レベル、そして個人レベルでの清潔さが教化されていった(*4)。
一方、日本の家政学はというと、その学問的な成立は第二次世界大戦後に、大学に家政学部や家政学科が設立されたことが始まりとみなされることが多い。ただし、「家政」という言葉自体はそれ以前から存在していた。明治初期には海外の家政書の翻訳がなされ、また欧米を視察した者によって「家政」という表現がタイトルに入った出版物も刊行されている。
では、ここからは家政書が刊行される過程で、日本人の習慣としての入浴がどのように家庭に託されるようになったのかをみていきたい。まず、「入浴」をめぐる記述は、いつ頃、どのように現れたのだろうか。
ここから先は無料会員限定です。
無料会員登録で今すぐ全文が読めます。
プレジデントオンライン無料会員の4つの特典
- 30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
- 約5万本の無料会員記事が閲覧可能
- 記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
- 記事をブックマーク可能
