全体像を見せてから詳細を伝えていく
一方、説明上手な人は、全体像から話しはじめます。先ほどの料理番組の例でいうと、このように説明します。
最初に調理が完了した料理を見せながら、何の料理を作るのかを説明するはずです。次に料理の材料を見せてから、料理の工程を大まかに説明します。
そして最後に各工程の細かい説明をするといった流れにすると、聞いている人たちもイメージしやすいはずです。
料理番組だけではなく、あらゆるシーンで全体像を見せてから詳細を伝えていく手法は使えます。
ではなぜ、全体像を説明でイメージしてもらう前に、細かいところから説明してしまうのでしょうか。
もちろん、さまざまな要因はあると思いますが、その細かいところが重要だと思い込んでいるケースが特に多いように思います。
先ほどの料理の例でいうと、玉ねぎの切り刻み方が味の決め手になるということで、それを最優先に説明しなければならないと思い込んでしまうのです。
相手にとって最も重要なものは何かを間違えてしまうと、途端に理解不能な状態になることも意識しておくといいでしょう。
相手の頭の中に情報を理解するための枠組みをつくる
まず、説明するのなら、話の「全体像」を相手に理解してもらいましょう。
そうすることで、相手の頭の中に情報を理解するための枠組みができ、後に続く情報をどこにどう位置付けるか、関連付けるかを決められるようになります。
また、重要な情報に注意を向けやすくなるため、効率的に情報を処理して理解を深めることができるようになるのです。
最後に、どれくらい情報を正確に伝えられるかを試すゲームを紹介しましょう。
話し手にだけイラストを見せて、イラストを言葉だけで聞き手に説明して、聞き手がどれくらい正確に同じイラストを描けるかというゲームです。このゲームをすると、大枠と全体像を先に伝えたほうが、圧倒的にイラストの再現性が高まることがわかります。
聞き手の頭の中で、話し手のイメージをどのように再現するのかを意識する。そのためには、まずは全体像から伝えることが重要です。