白血球数が増え、症状が落ち着き始める

Day17、今日から5月です。先生との話の中で、血球は明日から本格的に増えてくると思いますよ、との予言がありました。実際に翌日、白血球は330から420に大きく増え、それ以降も520、620、770と、順調に増加していきました。

先生は以前、「白血球、特に好中球が回復してくると、胃腸の粘膜も修復されてくるので、下痢や胃の痛みも治まってくると思いますよ」と言っていました。たしかに下痢は以前より楽になり、胃痛も軽くなってきました。

胃腸の症状が落ち着いたことで、少しずつ食欲も戻ってきて、口からものが食べられるようになってきました。最初のうちはプリンやゼリーでしたが、少しずつ病院食のスープやピラフなども口にできるようになっていきました。

皮膚についても、足と腕のかゆみや手のひらの痛みが落ち着いてきました。熱は37度台で、たまに38度を超える感じでした。

いろいろな苦痛が治まってきて、精神的にも落ち着き、リハビリをフルメニューでこなせるようになりました。

病床で迎えた誕生日のプレゼント

5月6日。46歳の誕生日です。病床で誕生日を迎えたのは人生で初めてでした。

午後、妻が面会に来てくれて、「ちょっとデイルーム(共有スペース)に来てくれる?」と私を呼びます。

行ってみると、そこには久しぶりに会う娘がちょこんと座っていました。予想外のことだったのでうれしいと同時に驚きました。というのも、娘と会うのは約1カ月ぶりだったのです。無菌病棟で抗がん剤投与が始まった後は、感染のリスクもあるので、生着するまで娘による面会は控えよう、と家族で話していました。

でもこの日は私の誕生日だし、生着も近そうということで、妻は娘を病院まで連れて来てくれました。もし看護師さんから「まだ感染リスクがあるので家族は病室には入れません」と言われたら、無菌病棟の入り口のガラス越しでもいいから娘を私に会わせよう、と考えていたそうです。

幸いなことに、看護師さんからは「デイルームでの面会なら大丈夫ですよ」と言っていただいたようです。

デイルームで1カ月ぶりに家族3人で話をしていると、担当医のMY先生が私を探してやってきました。

「高山さん、生着しましたよ!」

白血球の数が1100となり、ついに生着基準の1000を超えたのです!