気晴らしする気力も体力もなくなっていた

結局、Day5からDay8まで、4日連続で高熱の最高記録を更新しました。

このころの私の状況はというと、下痢が続いてヘロヘロになっていたのを痛み止めの点滴で乗り越えたと思ったら、今度は連日の高熱でさらにヘロヘロになり、ベッドでぐったりしていました。

ベッドから起き上がるのも、ご飯を食べるのも(そもそも食欲がありません)、薬を飲むのも、歯を磨くのも、トイレに行くのも億劫です。携帯を触ることも音楽を聴くこともできず、とにかくぐったりと横になっていました。

Day9になってようやく、40度を超える高熱は出なくなりました。

そして朝の血液検査で、白血球が100に増えていました。この日までの5日間で見ると、10→20→30→50→100と順調に増加していました。

この時期の患者にとって、臍帯血が無事に生着してくれるかが一番の心配ごとです。先生は「高山さんのような白血球増加のパターンで生着しなかった人はいないから大丈夫ですよ」と言ってくれました。これは大きな安心材料になりました。

水をゴクリと飲むだけで胃が痛む

この日からまた下痢になりました。先生によると、今度はGVHDの下痢だそうです。治療が始まってから、抗がん剤の副作用→PIR→GVHDと、下痢の原因は移行していきました。

下痢はあるものの、40度の高熱が治まったので、体調は良くなったように感じていました。血球が増えてきていることもあり、治療が着実に前に進んでいるという手応えがありました。

Day10。熱は37度台で落ち着いています。下痢は前ほどひどいものではなくなっていました。リハビリは久しぶりにフルメニューがこなせました。一方、胃が痛く、水をゴクリと飲むだけで痛みます。

夕方、先生が来てくれて、現状を説明してくれました。

「リンパ球の増加がいち段落したことで、熱も一昨日くらいから落ち着いてきています。でも、これからがGVHDの発熱の本番で、こちらのほうが抑えるのが難しいんです。血液検査の結果などを見ながらステロイドの量を慎重に調整しているところです」

お話を聞いて、移植の進捗状況が実際の体調の変化と結びついていることが分かり、なるほどと納得できました。