※本稿は、小林尚・橋本尚記『提出書類・小論文・面接がこの1冊でぜんぶわかる ゼロから知りたい 総合型選抜・学校推薦型選抜』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
遅きに失すると手遅れになる場合も
今回は、総合・推薦入試(本記事では、以降まとめて推薦入試と呼びます)の合格に必要な具体的な対策を解説していきましょう。
まずは対策の全体像を見ていきます。このときに大切なのは、必要な期間も一緒に考えることです。なぜなら、推薦入試の対策には、ある期間をすぎると挽回が不可能なことがあるからです。
たとえば、評定平均がもっともイメージしやすいでしょう。
それまでの評定平均が3.0だった人が、高校3年生になってからどれほどがんばっても評定平均を4.5にすることはできません。ですから、評定平均4.5以上が必要な大学への受験を希望する際には、遅くとも高校2年生の1学期から対策を始めることが必要です(もちろん理想的には、高校1年生のスタートからしっかりと勉強しておきたいですね)。
このように、対策の中身とそれぞれに必要な期間を見ることで、何から始めるべきか、何に時間をさくべきかという優先順位をつけることができます。
特に推薦入試では、この期間を意識して対策を進めましょう。
活動実績も長時間の準備が必要
推薦入試対策を期間で区分すると、図表1のようになります。
これらは、1年以上の期間が必要な対策です。評定平均は先ほどの例で説明した通りです。高校3年間の平均が使われることがほとんどですから、高校1年生の1学期から対策をする必要があります。
活動実績についても、かなり長期間の準備が必要です。人それぞれ、内容によって違いますが、たとえば1回だけコンクールに応募した、1回だけ大学の講義を聞きにいった、というだけで高く評価されることはありません。
ボランティア活動も1〜2回で評価されることはありません(これは推薦入試で評価を得る観点の話ですから、単発の活動そのものを否定しているわけではありません)。
長い間自分で研究をして、知識をつけるために大学の講義を聞きにいく。
あるいは自分で成しとげたい夢があって勉強のために継続的にボランティアをしている。そのような長期的な計画の中で活動実績があれば、自分の夢や志望理由に説得力が増して、高く評価されます。