だぶついた中間管理職をなくすAIの未来

新卒採用の人びとが、入省年次の通りに、順番に昇進していく。しかしポストは、ピラミッド型で、上がつかえる。閑職に回されるか関連団体に再就職するか、早々と民間に転職するか。どの省庁も、だぶついた職員向けの関連団体を山ほど抱えている。それを回してあげるために、税金で業務を外注する。

それもこれも、組織がピラミッドになっていることに、根本の原因がある。

生成AI系のビジネスソフト「未来マネジメント」が、中間管理職をなくして、組織をすっきりさせるのをみた。これからのビジネスの姿だ。

行政とビジネスは、違う。行政は金儲かねもうけをするわけではない。商品を販売したりもしない。何を目的に、何を基準に、改革するかをまずはっきりさせよう。

改革の目的は、国民のための必要で十分な公共サーヴィスを行なう体制を整えること。現状は、余計な人員が余計な業務(業務のための業務)をしていて、国民の負担となっている。これを正すのは、国会の役割だ。国会は、納税者の代表が集まる場で、主権を行使する機関だからである。中央省庁が、自分で自分を改革するはずがない。

中央省庁の改革のあるべき流れを示そう(実際にできるかどうかは別問題だ)。

まず国会で、与野党が共同で、中央省庁の改革を進めることで合意し、作業グループをつくる(与野党が協力することが大事だ。さもないと、政権交代が起こったら、改革がひっくり返ってしまう)。

省庁を再編し、文科省はなくしていい

中央省庁べったりの与党が重い腰をあげるには、それをやらないと次の選挙に勝てないと思わせる、有権者のはっきりした声が届くことが大切である。生成AI系ビジネスソフトで、民間の企業が目を見張るような改革を行なっている。世界各国の政府も大胆な改革を進めているのに、なぜ日本の省庁は動きが遅いのか。そうした世論が追い風になる。

まず、中央省庁を、本質的な業務を行なう機関/それ以外の機関、に分ける。

本質的な業務を行なう機関とは、

・財務省……予算を決める
・外務省……外交を担う
・法務省……法務実務を担う
・防衛省……実力で防衛を担う
・特許庁……特許業務を担う
・気象庁……気象や自然災害を調査研究する
・海上保安庁……領海付近の法秩序を守る

などなど。こうした機関は、水ぶくれがあれば絞るとしても、なしですませることはできない。

いっぽうそれ以外の機関(本質的な業務を行なわない)は、必要であることが証明されない限り、存続できない。陸海軍はなくなった。復員省もなくなった。それと同じだ。

関係の業界を監督する官庁、みたいなものは存在しなくてよい。たとえば、大学を監督するのが役目の、文科省の高等教育局みたいな機関は、存在しなくてよい。そんなものがなくても、いや、ないほうが、大学はうまく行くのである。

オフィスのデスクで空の椅子とデスクトップ
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