利益率1.4%ないなら家で寝るべし

企業の決算書をチェックするとき、私が真っ先に確かめるのは営業利益率です。営業利益率は売上高に対する営業利益の割合で、日本の製造業なら3~5%、非製造業なら2~3%が一般的です。

もし営業利益率が1.4%以下だったら、私はその事業からの撤退をアドバイスします。なぜなら、売り上げをそのまま銀行に預けたほうが儲かるからです。

例えば楽天銀行の「楽天ステップアップ預金」特別金利キャンペーン(2011年4月19日まで)は、最高金利が1.40%(税引前/8年目の金利)です。営業利益率がその金利を下回るようなら、わざわざ営業する必要はありません。なにしろネットで定期預金を申し込んで、1年間ボーッとしていたほうが得なんですから!

もちろんこれはもののたとえであり、本当に銀行の預金を勧めているわけではありません。重要なのは、きちんと事業の撤退基準を明確にしておくことです。

黒字化しないにもかかわらず、そのままズルズルと続けて赤字を膨らませている新規事業をよく見かけますが、そうなってしまうのは、目標数値があっても撤退基準の数値を決めていないからです。

ユニクロは、かつて野菜事業に進出したことがありましたが、軌道に乗らないと判断して早々と撤退しました。ドン・キホーテは会員制ホールセールクラブを開店したものの、わずか3カ月で潔く営業を終了させました。

両社が傷の浅いうちにスパッと撤退できたのも、おそらく事前に撤退ルールが決まっていたからでしょう。

撤退基準は各社の事情によって異なると思いますが、先ほど紹介したように、定期預金金利を目安にするというのも面白いかもしれませんね。営業利益率がそれに届かないようなら、きっぱり諦めたほうがいいのではないでしょうか?