おいしく炊くには「氷を5、6個入れる」
「米の炊き方ですか。まず、米を洗う時、水を変えますけれど、せいぜい2回にしておくこと。水は濁ったままでいいです。それと、炊く時に氷を入れる。うちは5、6個入れてます。水と氷を合わせて炊飯器の目印の量にする。氷を入れたほうが絶対、おいしくなります。つめたいみずから炊いた方が『初めチョロチョロ、なかパッパ』の状態になります。最初に水は冷やしたほうがいい。
よく、新米にする時は水の量を少なめにすると言いますけれど、今の炊飯器はそんなことしなくてもいいんじゃないかな。うちは目盛り通りの水加減です。
米に合うおかずはナスですね。うちは自家用のナスを育ててますから、それでみそ炒め、油で揚げて煮びたしにします。油炒めでもいいし、漬物もおいしい。ナスだけでご飯が食べられる。ナスは大きくなるまで育てると皮が厚くなって硬いから、小さめのナスで料理しています。新潟県はナスの消費量ナンバーワンなんですよ。ナス料理は新潟。さつまいものツルも煮るとおいしい」
笠原さんは言った。
「1本の稲には80粒から200粒の米粒が生る。そして15本から20本の稲が集まったものが一株の稲束。6株の稲束の米を集めるとご飯茶わん一杯分(150グラム)になります」
同農園魚沼産コシヒカリは白米5キロで4000円。茶わん1杯(150グラム)当たり120円。
米は笠原さんのようなプロ中のプロが作ったとしても、1年に一度しか作れない。それが茶わん1杯で120円だ。決して高くはない。