「国のITの遅れ」イコール「半導体の遅れ」
ITやAIについての理解不足によって、日本のITは世界のなかで遅れてしまっている。国としてのITの遅れは、実は半導体の遅れとまったく同じである。
産業技術総合研究所がOECD、内閣府、米国商務省のデータをもとに、日米のデジタル投資額とGDPとの関係に注目して資料を作成している(資料5)。それによると、デジタルへの投資額は1994年から2018年に至るまで米国では着実に増加しているのに対して、日本ではまったく増えていない。
米国のデジタル投資は増加しているが日本はまったくフラットで、この傾向はGDPも同様である。この資料からいえることは、日本はIT産業を振興させるための手を早急に打たなければならないということだ。
2023年日本のGDPは、591.5兆円。インバウンド需要の獲得も大事だが、観光資源はGDPの1%以下なのに対して、製造業は2割だ。日本のGDPを増やし、国を豊かにするためには半導体とITへの投資を増やすことが重要といえる。
最近、経済産業省はラピダス設立以外にも、TSMCとのコラボのための誘致などで半導体産業を支援しており、以前と比べると、少しはよくなる可能性を秘めている。