「老婆心」とは気配りのこと

SBIホールディングスCEO 
北尾吉孝氏

「極めて才知に優れているけれど、あの者には『老婆心』が足りない」

一体、誰が誰のことを言ったのか。

今から約800年前のこと。道元禅師は曹洞宗を開き、永平寺の開祖となりました。その道元の後継者には、弟子の中でも才知技能に優れた「義介(ぎかい)」が選ばれると目されていました。しかし、道元は「懐裝(えじよう)」を指名した。のちに『正法眼蔵随聞記』を著した懐奘は道元にこう尋ねたと記しています。「お師匠様は、なぜ義介に印可(悟りを開いたという証明)をお与えにならなかったのですか?」。その返答が冒頭の言葉です。