――警察に入ってすぐに裏金に気づいたんですか。

いや、最初はわかりませんでした。ある日、先輩が上司から呼ばれて、何か書きよるわけですよ、暗い顔して。それで、「先輩、それは何ですか?」って聞いたら、「お前もそのうちに分かる」と言われたので、僕はさらに、「何なんですか?」と食い下がったんです。

そうしたら、「裏金よ……」と。おそらく、ほかの人は上司から命令されたら、意味がわからないままニセの領収書を書かされるんでしょうけれど、僕は先に聞いていたので、上司から書けと言われても拒否し、絶対に書きませんでした。