逆恨みのリスクを考慮したほうがいい

そこで、逆恨みのリスクを回避しつつ相手に直接伝える方法として「匿名の貼り紙をしておく」という古典的な方法があります。いきなり匿名で貼り紙をされるとか怖いですし、まともな人ならやめてくれたりもします。

逆に危険なのが、集めた証拠をチラつかせつつ「役所に相談をしますよ」などと交渉することです。世の中には逆恨みをする人が少なからずいます。鳩に餌をあげて糞害を招く人に「鳩の糞には病原菌が潜んでいてあなたもキケンですよ」と言ってもわかってくれないのと同じく、論理的に説明しても理解してくれないので、自分が直接対峙することは避けつつ解決を目指すのがおすすめです。

「行列への割り込み」をどう注意したらいいか

【行列への割り込みをやめさせたい】

・ダメな言い方
最後尾に並び直してください

・うまい言い方
私の番が遅くなるので、最後尾に並び直すか、あなたの前に入れてください

まず重要なのは相手に悪意があるかどうかです。悪気なく割り込みをしている可能性もありますし、そういう場合は「最後尾はあっちですよ」みたいに教えてあげれば解決します。

長い列に並ぶ人々
写真=iStock.com/TkKurikawa
※写真はイメージです

一方で、ズルをしようと割り込む人の場合、注意してトラブルになればかなりの労力と時間を浪費します。実際には割り込みによって延びた待ち時間のほうが短かったりするので、腹は立つでしょうが、そのままスルーするのも、ある意味正解です。

そもそも、自分以外が割り込みに気づいていないなら、ほかの人は「損をしている」と思っていません。ヘタに注意をすると正義感ではなく、単なる自己満足になりかねない。それでも釈然としないのであれば、このように言ったほうがいいと思います。

「あなたが入ると自分の番が遅くなるので、最後尾に並び直すか、あなたの前に入れてください」

ポイントは、実質的には同じ結果だけど「相手に選択肢がある」という状況にすることです。たいていの場合、割り込みをする人は、多少の罪悪感を持っています。だから、「この人を前に入れることで割り込みに文句を言われなくなるなら、そのほうが得だな」と、考えたりするものです。

あと、先に並んでいた人にその人の友人が合流するパターンでも、この手法は効果的です。友人が後から割り込んでくるのは「一緒に行動をしたい」という思惑があるからです。離れて並んだり全員で並び直したりするのは避けたいので、「それなら、この人を前に入れちゃったほうがいいよね」となります。

逆に、「最後尾に並び直してください」など、相手が受け入れられない条件だけを言うと、逆ギレされる可能性が高くなります。だから、このような相手への選択肢が思いつかない場合は、面倒なことになるので言わないほうが安全だと思います。