長生きするには、何を摂取するといいか。浜松医科大学名誉教授の高田明和さんは「コーヒーも健康効果はあるといわれるが、緑茶のほうが直接的な健康効果ははるかに高い。ビタミンCの作用もあるうえに、ポリフェノールの一種である茶カテキンは長寿遺伝子を活性化し、炎症を防ぎ、免疫系を活性化する作用がある、国立長寿医療研究センターのある聞き取り調査では、60歳以上1305人の12年間のデータを検証すると、緑茶の摂取が一日1杯未満のグループに比べ、一日に2、3杯、あるいは4杯以上の緑茶を飲むグループでは、認知機能の低下リスクが約30%低下していることがわかっている」という――。

※本稿は、高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

熱いコーヒーを手に持っている女性
写真=iStock.com/Suzi Media Production
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一日に2〜4杯の緑茶で認知機能の低下リスクは約30%低下

「コーヒーを飲む人は、健康で長寿だ」という研究結果があります。確かに、コーヒーの香りや抽出成分には気分を穏やかにし、一緒に飲む人との会話を増やし、人間関係をよくするという、素敵な効果もあり、総合的に健康にはいいようです。

しかし直接的な健康への効果を比べると、緑茶のほうがコーヒーよりはるかに勝ります。ビタミンCの作用もあるうえに、ポリフェノールの一種である茶カテキンは長寿遺伝子を活性化し、炎症を防ぎ、免疫系を活性化する作用が認められています。

国立長寿医療研究センターは、高齢者が緑茶やコーヒー、紅茶などの嗜好飲料を普段どの程度飲んでいるかを聞き取り調査しています。

それによると、60歳以上1305人の12年間のデータを検証した結果、緑茶の摂取が一日1杯未満のグループに比べ、一日に2、3杯、あるいは4杯以上の緑茶を飲むグループでは、認知機能の低下リスクが約30%低下しているとのことです。

一方、別の調査においては、「コーヒーと認知機能に明確な関連性はない」という結果も出ています。ただ、60歳以上の地域住民では、コーヒーをほとんど飲まない人が約4割を占めていました。

緑茶のように、コーヒーを一日4杯以上飲む人が非常に少なかったため、コーヒーを飲む人と飲まない人での比較が十分に行なえなかった可能性もあります。

コーヒーにもお茶にも、カフェインが含まれています。カフェインが睡眠に影響を与えない体質であれば問題ないのですが、カフェインに敏感な体質の方は、眠る7時間前からは摂取しないほうが無難でしょう。