※本稿は、高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
45歳以上になると、体はあまりカロリーを必要としない
かつて中高年の体型について、「少し太り気味のほうがいい」「小太りのほうが長生きだ」などと言われた時期がありました。
たとえば、茨城県で男性3万人、女性6万人を10年間にわたって追跡調査した結果によると、年齢とともに少しずつ体重を増やしていくことが健康的だと結論づけています。
人間の場合、肥満は「BMI」(Body mass index=体重kg÷身長mの2乗)という数値で表されますが、60代の男性でBMI「25.1」、女性でBMI「22.8」。
70代では男性「25.5」、女性「24.1」と、標準である「22」という数値よりもかなりオーバーした値が、この追跡調査では理想値と位置づけられていました。
しかし最近になって、この考え方ははっきりと否定されています。
動物による実験の結果は、カロリー摂取を減らした動物のほうが、摂取量の多い動物よりも長生きであることを示しました。一般的にはBMI18~25の値が正常値で、25以上が肥満とされます。
以前は、先の茨城県の研究データのように、25~30の「過体重」とされる数値が、実際のところは「もっとも健康的だ」とする医学者も多くいたのです。
しかし現在は、数々のデータから、やはり「BMI25以下に抑えたほうがいい」というのが、多くの医学者の間で共通する認識になっています。
健康で長生きしようと思ったら、「あまり食べすぎないほうがよろしい」というのが、最新医学における解答なのです。なぜ食べすぎないほうがいいのか――簡単にいえば45歳以上になると、体はあまりカロリーを必要としなくなるからです。
必要以上のカロリーをとった場合、体はそれを皮下脂肪として蓄えたり、排泄したりするのですが、いずれも本来は必要のない作業であり、臓器には作業負担がかかってしまいます。
こうして疲弊した内臓の修復に多くのエネルギーを注げば、それだけ見た目には疲れた雰囲気が漂います。
食べる量を減らしていくと、体が処理する物質量が減り、さらに排泄する量も減るので、内臓にかかる負担が減らせるのです。