「むしろ不健康で良かった」

次に、僕は、「会社の幹部になるには、健康が大事ですか? 丈夫じゃないといけませんか」と質問した。すると松下さんは、「いや、健康も関係ない。私は結核患者だ。治ったわけじゃなくて、進行が止まっただけの半病人だ。それがむしろ良かった」という。

どういうことかと言うと、健康な人間は陣頭指揮をとりたがって、つい、俺について来いというワンマン経営になりがちだと言うんです。往々にして、後ろを振り返ると誰もついてこなくて自滅するパターンが多いんだ、と。しかし、自分は半病人だったから、後方経営、いちばん後ろからトコトコとついて行くと。これはシンドイよね。

だって後ろから経営者がついてきたら、やっていることが丸見えなんだから。でも、これが経営の基本だと松下さんは言う。後方経営、つまり全員参加です。皆、わからないながら前を走っていくわけで、ボトムアップの経営でしょう。