天然のものと人工的に作られるものがある

界面活性剤には、レシチンのような天然のものと、人工的に作られるものがあります。合成界面活性剤とは後者のタイプで、石油などを原料にして人工的に作られます。

界面活性剤にはいろいろな働きがありますが、そのひとつに「汚れを落とす」という役割があります。

たとえば、石けんは界面活性剤の働きを利用しています。石けんは油脂とアルカリを原料にして作られています。油脂は動物や植物など天然由来のものが多く、アルカリである苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)または苛性カリ(水酸化カリウム)のどちらかと反応させることで、石けんが作られるのです。

頑固な汚れと言えば、衣服に浸み込んだ油や皮脂がありますが、界面活性剤は油にしっかり吸着して衣類から汚れを引き剥がし、汚れを水のなかに溶け込ませます(図表1)。

最後に水でキレイにすすげば、界面活性剤とともに汚れが流れ落ちていきます。

界面活性剤は数千種類もある

界面活性剤というと、なんとなく肌に悪そうというイメージがあるかもしれません。しかし、実際はそんなことはありません。石けんが私たちの生活になくてはならないものであるように、界面活性剤は衣料品や食品など、至るところで用いられています。

しかし、人工的に作られる「合成界面活性剤」となると、話は別です。

石油などから作られる合成界面活性剤は、人間の健康に大きな害を与えることがあるからです。

合成界面活性剤は、身の回りの至るところで用いられています。

産業界では、「困ったことがあればまず界面活性剤に聞いてみよ」と言われるほどの多機能かつ高機能の物質で、数千種類もあると言われています。